世にも奇妙な物語データベース

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ズンドコベロンチョ(新)

放送回 25周年記念 秋の2週連続SP 傑作復活編
キャスト 藤木直人
脚本・原作 北川悦吏子

そうさ、何だって分かる。なぜなら世界は僕のものだから。知らない事なんかこの世に無いんだ――。

時代を席巻するIT界の寵児として有名なコンサルティング会社社長・三上(藤木直人)は、会議中「情報力で差をつけろ」と部下に命じている。
「瀬田、お前のコアコンピタンスは?」
「コアコン・・?」
知らない言葉に慌てて部下はスマホで調べようとする。
「何やってんだ、ググッてんのか? そんなことも知らずにコンサルやってんのか!」
「すいません」
「何でもかんでもググればいいってもんじゃない!」
三上は不機嫌そうに机に両手を突く。
「いいか。アサーティブなアウトプットを前提にクロスセリングしろ。それには定量評価だけじゃない、定性評価にこそ、デューデリジェンスが隠されている。そこからアンダード効果を狙って…」

モノを知らないってのは罪だよ。重罪だ。勘弁してくれ。

ある日、三上が仕事の資料を眺めていると、社員達が何やら会話をしていた。
「俺、昨日見ちゃった。『ズンドコベロンチョ』」
「見たの?」
「いやぁ、あんだけバズってたら見るでしょ、『ズンドコベロンチョ』」
「ウケるわー、やばいやばい」
「度肝抜かれっからね」
盛り上がっている社員達。
聞き慣れない言葉に三上は目を丸くしていると、
「あ、社長は見ました? 『ズンベロ』」
と部下が尋ねてくる。
「ああ・・あれな・・」
三上はぎこちない笑みを浮かべながら、「あれなかなかいいよな」と返す。
「お〜、さすが、社長!」

ズンドコ・・?
三上はオフィスを出てこっそりとスマホで言葉を調べようとするが、秘書が美容院の予約とランチミーティングの予定を告げる。

美容師に髪を整えてもらっている三上の元に、美容院のオーナーがやって来る。
「そうそう、この間三上ちゃんに教えてもらったワイン、あれ凄く良かったぁ!」
「でしょ、すっきりした赤なら今年はナパのワイナリーが当たりなんです」
「もう三上ちゃん何でも詳しいんだから! あらやだ何これ、素敵ね!」
フランクミュラーの腕時計を褒めるオーナーに、ますます三上が上機嫌になるが、
「・・でもね、三上ちゃんこう見えて・・・・ちょーっと、『ズンドコベロンチョ』な所あるから」

えっ!?

「え、オーナー? ズンドコベロンチョって何ですか?」
美容師が尋ねる。思わず三上が美容師の方を振り向くが、
「なーんちゃって嘘嘘。聞くだけ野暮ですよね」
「もうーびっくりさせないでよー」
美容師とオーナーは二人の間で笑い合っているが、三上にはさっぱり意味が分からない。

聞くだけ・・野暮・・?

「何なんだよズンドコベロンチョって。俺がちょっとズンドコベロンチョ?・・ず・・ん・・ど・・こ・・」
スマホでキーワード検索しようとした時、秘書から電話。
「社長、急いでください。ジョンソンさん。もうレストランにいらっしゃるそうです」
「分かった」

ジョンソン社長とのランチミーティングは和やかなムードで終わろうとしていた。
『いい会合でした』
三上は英語で得意げに話しながら、ジョンソン社長と握手を交わす。
『君が素晴らしいせいさ。その知識と手腕は世界中で噂になってる。そうだ知ってるよ、総理大臣にも会ったろう? オリンピック関連、何かやるそうじゃないか』
『僕が? まさか、とんでもない。ただの噂ですよ。しかし、8000万ドルのご融資をいただけるなんて願ってもないことです。ご期待に添えるようにがんばります』
『こちらもニューヨークから来たかいがあった。それもこれも、』

『ズンドコベロンチョのおかげだ…』

Thanks to ZUNDOKO BERONCHYO!?
思わず三上は心の中でジョンソン社長の言葉を繰り返す。

『今夜は日本のズンドコベロンチョを堪能するか!』
『いいですね〜。私もたまに銀座でひとりズンベロってます』
三上の部下・大島も話を合わせ、ジョンソンと意気投合している。
『ズンドコベロンチョは日本が一番!』

銀座? 日本が一番? 大島がたまに・・・
・・・寿司? 寿司か! 寿司だ! 寿司だろ!

『ズンドコベロンチョ、赤酢で握ったシャリで食べると最高です』
三上が得意げに語ると、その場にいる全員が凍りついた様に黙り込んだ。

『ズンドコベロンチョを握って食べる?』
ジョンソンの顔が見る見るうちに赤くなる。
『なんてこと言うんだ! ズンドコベロンチョに失礼だ! ズンドコベロンチョに対する冒涜だよ!』
机を叩いて激怒するジョンソンは、今日の話は無かった事にしてくれと言って去って行ってしまった。

ズンドコベロンチョって何だ・・
何だ・・
一体何なんだよ・・。

路肩に止めた車の中で、三上はノートパソコンを開く。
検索すると、最初に「Wiikipedia」がヒットした。

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ズンドコベロンチョは、シナジーによる熱伝導が作用したオポチュニティーとも言える。すべてのフレームワークに適応可能なディストリビューションとナレッジマネジメントを最適なソリューションとしてデリバティブし、そのエビデンスをΒ崩壊させエスティメートと認識されるとする。ズンドコベロンチョ以外のズンドコベロンチョについては後述する節ズンドコベロンチョを参照のこと。
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「はぁ!? ずらずらずらずらカタカナ並べやがって、ぜんぜんわかんねえ!!」

続いてまとめサイトをクリックする。

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こんなところにズンドコベロンチョ
ズンドコベロンチョ見つけた(猫の写真)
見よ!このズンベロ感!(富士山の写真)
ワォー!ズンドコベロンチョ!(外国の写真)
自由にズンドコベロンチョが選べるなんて楽しい〜!(???)
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また別のまとめサイト。

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【俺の妹がズンドコベロンチョだった。】
1
父親 56 どこにでもいるサラリーマン
母親 52 専業主婦 たまにパート
俺 21 大学3年 ほんとに普通、なんにも取り柄なし
妹 18 高校生 容姿はまぁまぁかわいい

2
おめでとう

3
ぐうかわ。胸アツ

4
うらやましい

5
大ニュースじゃん!

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「わけわかんねえ・・」
三上は苛立たしげに別のサイトを開く。

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SNS
「今日もズンドコベロンチョでがんばろ」
「今日は学校でズンドコベロンチョ。楽しみ」
「昨日はズンベロ泣きしてしまった」
「ズンドコベロンチョのおかげでギリギリセーフ」

ショッピングサイト
ズンドコベロンチョマナ(ドイツ式) 790円 ギターの写真
ズンドコベロンチョ伸縮DX 2338円 バスケットゴールの写真
ズンドコベロンチョLボトル500ml 1058円 ドリンクを飲む女性の写真

北川悦吏子のSNS
「ズンドコベロンチョ、ただいま、絶賛オンエア中!見てね♪」

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「知恵袋は!?」
三上は期待を込めて知恵袋を検索する
【ズンドコベロンチョってなんですか?】
という質問を見つける。
「あった!」
慌てて回答欄へとスクロールする。

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質問への回答
・そんなことも知らないの? アホじゃね
・何を言ってるのか意味が分からない
・知らないなんて相当イタイというか
・お前は、クズ、クズ。
・アホ、アホ、アホ、アホ、アホ、アホ・・

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「アホじゃねえ!!」
ノートパソコンを投げる三上。
車の外に出て、溜息まじりにタバコを口にくわえようとして、

「もしかして・・日本語じゃない? 英語か!」

今度はスマホの音声アシスタントに話しかける。
<何かご用ですか>
「ズンドコベロンチョ」
<もう一度お願いします>
「もしかしてフランス語? ズンドコォ、ベロンチョゥ」
<もっとはっきり喋ってください>
「中国語・・ズンドーコーベロンチョー」
<もう一度お願いします>
「スペイン語・・ズンドコーベルルロォンチョー」
<もっとはっきり喋ってください>
「ロシア・・ベロンチョスキー!」
<もっと大きな声で>
「ズンドコベロンチョォォォォォォォ!!!」
叫び始めた三上の元に、警備員が駆け寄って来た。
車を移動させて欲しいらしい。
「お兄さん大丈夫? 顔真っ青だよ。気分悪い?」
「ああ、いえ・・」
「ビルばっかりで息も詰まるよね。昔はあんた、この辺り一帯、ぜーんぶズンベロだったって言うんだから信じられないよ」
「えっ、昔っていつです」
「江戸時代?」
「江戸時代!?」
警備員は同僚と共に去って行く。

江戸時代に・・ズンドコベロンチョが!?

図書館で資料を読み漁る。

分かった・・ズンドコベロンチョは江戸時代の・・江戸時代の・・とにかく江戸時代の・・。何だろう・・。
地名? 記述が無い・・どこにも無い・・。

町に出ればズンドコベロンチョの抗議デモ団体が歩いている。
キャバクラに行けば「ズンドコベロンチョを指名するとかふざけてるのか」と追い出される。
映画のポスターには「全ズンベロが泣いた」というポスターが飾ってある。

「俺が泣きそうだ・・」

路上で倒れ込んだ三上の元に、詐欺のポスターが飛んで来る。
『母さん助けて詐欺、注意 ズンドコベロンチョ』
おばあちゃんのイラストが描かれている。

「ばあちゃん・・そうだ」

三上は田舎の祖母宅を訪ねる。
にこやかに孫を出迎える祖母に、三上は恐る恐る語りかける。
「ばあちゃん・・聞きてぇことがあって」
「あんだ?」
「ずん・・」
「ずん・・?」
「ずんどこ・・」
「ずんどこ・・?」
「東京じゃ皆言ってんだ、ズンドコベロンチョって」
「ひええええええええええ!!」
叫んで腰を抜かす祖母。
「なんてことを・・『ドコチョ』のことをおめぇから言われるなんて・・オラこんな年になって・・」
(こっちの方では、ドコチョって言うのか・・)
「バアちゃんもう生きてらんねえ! ナンマンダブナンマンダブ・・」
「ばあちゃんごめん、俺、もう二度と言わねから! この事は忘れてけれ!」

疲れ果ててマンションに戻って来た三上。
ふとテレビから「いやー可愛かったですね、ズンドコベロンチョ」の声。
目をやると、映像にキャラクターのシッポらしき物が映し出されていた。
慌てて注目するが、番組が終わってしまった。

分かったぞ・・ゆるキャラだ。
ズンドコベロンチョは、ゆるキャラなんだ!
きっとこんな感じの・・。
絵を描き始めるが、何度も描いては捨て、描いては捨てを繰り返す。

翌朝、イラストを片手に、どこかのビルへとやって来る三上。
「あの、どちらに?」
慌てて女性社員が話しかけてくる。
「ズンドコベロンチョ」
「は?」
「ズンドコベロンチョに会いに」
「あの、アポイントは!?」
「君!」
警備員に止められる。「君は何だ!」
「これだ、これに会いに行く! ズンドコベロンチョくんだ!」
三上が自作のイラストを見せながら怒鳴る。
「なんてこと・・」
慌てた警備員や社員が大勢で三上を取り囲み、押し留める。

そこでハッと目を覚ます。
まさかの夢オチ・・?
いや違う。ばあちゃん家から帰って来て、そこから靴下脱いだまでが現実・・

突如、秘書から電話。

『社長、おめでとうございます。たったいま内閣官房長官から連絡がありました。2020年の東京オリンピック、三上修二に重要なポストを用意したとのことです! 国立フォーラムで大々的な任命式が行われます』

思わずガッツポーズする三上。

そして任命式。官房長官による挨拶が始まる。
「厳しい時代です。だからこそ2020年の東京オリンピックでは、この国を訪れるすべてのお客様を、万全の体制でおもてなししたい」
式はテレビ中継され、日本中の人々の注目の的だった。田舎のばあちゃんや、美容師たちも嬉しそうに映像を見ている。
「そのために、日本の魅力をコンサルティングし、世界に発信しなくてはなりません。必要なのは圧倒的な知識を誇る人物です。私達は大変幸運だ。何故か。東京オリンピックを成功させるために必要な知識をすべて持つ、若き才能がこの日本にいるからです! 私は彼に会って確信しました。このオリンピックは成功すると。ご紹介しましょう、三上修司くん、」
立ち上がろうとする三上。

「2020年、『ズンドコベロンチョ・アンバサダー』に任命します!」

思わず表情が凍りつく。

ズンドコベロンチョ・アンバサダァー!?

周囲の人間は皆、三上を拍手で壇上へと送り出している。
三上はよろめきながら壇上に立ち、

「……ズンドコベロンチョ!!」

高らかに声を上げると、歓声が飛ぶ。

「我々は今・・イノベーションの時代を生きています・・。ズンドコベロンチョは、古いパラダイムにとらわれず・・革新的なブレイクスルーを目指す我々・・・・ズンドコベロンチョは、シナジーによる熱伝導が作用した、オポチュニティーとも言えますが・・ブレイクスルーを目指し・・ベンチマーキングを・・ズンドコベロンチョ・・ズンドコベロンチョ・・・」

徐々に小さくなる声に、観客達がざわめき始める。

何なの・・何なんだよ・・。
一体何なんだよ。

「ズンドコベロンチョって・・何ですか?」

三上の言葉に静まり返る会場。
田舎のおばあちゃんは飲んでいたお茶を落とし、SNSでは大きく炎上し、ニュース番組では「速報!三上修二・ズンドコベロンチョを知らない!」という見出しで報じられ、世界中のメディアでもその一件が大きく取り上げられていた。

任命式の会場で大勢の人々に物をぶつけられながら叫ぶ三上。
「ねえ教えて!! ズンドコベロンチョって何ぃーーー!?」

コメントまとめ

「ズンベロ?そんなもの存在しない、
アレは大衆に植え付けた、ただの「概念」だよ」

お祖母ちゃんに聞きに行くところがなんか良かった

この話を見て一つ考えた事があるのですが、ズンドコベロンチョって日本語でいう何でしょうかね...?
・誰もが知っていて当たり前で、「○○って何ですか?」と聞くと叩かれたり呆れられたりする
・三上が自分の祖母にズンベロの意味を聞きに行く場面で、三上が「ズンドコベロンチョ」と発しただけで祖母は取り乱しているため、あまり好ましい言葉ではない?
この2点を踏まえて、ズンドコベロンチョは日本語に例えると何だと考え中ですw
話自体は現代風に変わっていて分かりやすかったし、むしろリメイクの方が面白かったです!

ズンドコベロンチョっていうゆるキャラまで出て来て(しっぽは恐竜?)もはや意味不明

この作品が通用するのか不安だったが今の時代に合わせてそれなりに作っているように思える。
でも草刈正雄版の方が面白い

ワッハハハ………藤木直人最高! オリジナルより100倍面白い。
でも、コレはただのイジメ。
面白がってゴメンなさい…。

「ズンドコベロンチョ」ねえ……「思いやり」かな? ゆるキャラ「思いやり君」??

藤木直人がかっこよかった

今やっても面白い話でよかった。
siriで検索するシーンは笑えた。発音の問題じゃねーよw

ズンドコベロンチョって主人公だけじゃなくて結局視聴者も正体が分からないから視聴者も主人公の心境になれるんですよね。

藤木直人って今年で44歳になるのか(^^;30代かと思ってた・・(元祖ズンベロを演じてた草刈正雄はたしか当時40歳前だった)

エピローグ

タモリさん「ズンドコベロンチョ。いやぁ…参りましたねぇ^^; 一体なんだってんの…」

振り返ってみるとそこには、あのズンドコベロンチョくんらしきものが

タ「お、これは、ズンドコベロンチョさん どうぞどうぞ… どうぞ いやいやいやいや… どうぞ……」

カメラの前にズンドコベロンチョくんを紹介しようとするが姿を現さない。

タ「あ~ 恥ずかしがっちゃって… シャイなんですからねぇ~ …あ、ちょっと私はズンベロ寄ってきますので、席外します。」

タモリさんが身支度始めると、
ズンドコベロンチョくん。恥ずかしがっちゃってテレビに映らず退室。

タ「お、ちょっと待ってください!ちょっと!!」

ズンドコベロンチョ君を追いかけるタモリさん。

ちなみに、額縁に飾られている絵は世にも奇妙ファンなら言う間でもないですね。ズンベロですね。

物語中藤木だけ知らないのが奇妙な世界だ。

みんな知ってる事なのにスマホで検索しても出てこないのが変だ。

藤木直人っていつも同じ髪型だよね

下手くそといったら、まず藤木直人だよね。あとは木村拓哉、中村倫也、高橋一生、前田敦子、大島優子、要潤とかね、本当にドラマとか映画が安っぽく見えるから出ないでほしい。特に木村拓哉は演出にうるさいらしいしね。

藤木のおどおどした演技がよい。

この世で知らん事は無い?時々そう言う事を言う奴が居るが絶対嘘じゃ。

面白いのはズンドコベロンチョって名前だけ。他は面白くも何とも無いよ。

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