放送回 | 2005年 秋の特別編 |
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キャスト | 木村佳乃 |
脚本・原作 |
中古の見慣れないカメラを買った柴田錬(佐々木蔵之介)。
カメラの中にはフィルムが残っていた。
柴田がそれを現像してみると、1人の女性が写っていた。
柴田はその女性に見覚えがあった。女優の有吉百合子(木村佳乃)である。
しかし不思議なことに、その写真は灰色で、彼女自身も化粧気がなく、写っている建物も国会議事堂らしいのだが何か雰囲気が違うのだ。
そこで柴田は写真を持って直接有吉を訪ねる。
最初は断わろうとしていた有吉だが、写真を見て顔色を変え、柴田を部屋に通す。
有吉は柴田から事情を聞くと、静かに語り始めた。
「それは私ではありません。それはもう1つの国のもう1人の私です」
訳が分からなくなる柴田。有吉は続ける。
彼女がいたのはもう1つの日本。(パラレルワールドというらしい)
そこは軍事政権に支配された全体国家で、自由はなく、食べるものもほとんどなかった。ある日彼女は恋人からもう1つの日本の存在を聞かされる。そこは自由で、食べるものも十分にある、生きていくのに苦労しない国。そして彼はそこに行ける方法があるから一緒に逃げようと言った。
後日。彼らは逃げるため、協力者の元に向かう。ところが、協力者の後ろから警官達が現れた。実はこの人は協力者に変装した警官だった。2人は逃げ出した。ところが恋人は撃たれてしまい、彼女にカメラを渡すと、逃げてくれ、そして生きてくれと言った。彼女は1人で逃げ続け、ある倉庫で本物の協力者に出会う。彼はもう1つの日本に通じる穴に彼女を連れて行く。いざとなると怖くなってしまった彼女だが、1日に数分しか開かないという彼の言葉と、生きて欲しいと言う彼の言葉を思い出し、その穴に落ちていった。
彼女はある小さなスペースから出て来た。辺りを見渡すと、好きな服を着て行き交う人々や、見たこともないようなおしゃれなお店がたくさんあった。そしてそこで彼女は彼女の国の独裁者の顔をした警官を見つける。彼女は協力者の言葉を思い出す。もう1つの日本には、もう1人の自分がいる。同じ国に同じ人間が2人もいるわけにはいかないから、もう1人の自分を殺さなければいけない、と。そして、この国での彼女は―――女優だった。
この話が本当なら、今柴田の目の前にいる有吉は彼女自身ということになる。彼は驚き、そして叫んだ。「あなたは人殺しだ!」
「人を殺してなにが悪いんです?」「生きていくためです」彼女は冷静にそう答えた。しかし、実際に殺しはしなかったと言う。実は有吉百合子は人気が落ちてしまった事を理由に自ら命を絶ってしまったのだった。そんなことで命を絶ってしまうなんて馬鹿な女だ。そうしなければ生きられない苦しみを知らないから無理もないのかもしれませんけど。と、彼女は嘆いた。
話が全て終わり、柴田は有吉の部屋を後にする。
最後に柴田は「どうして僕にこんな大事なことを話して下さったんですか」と尋ねた。有吉は「此処に来れば、あの人に逢えるかもしれないと思ったんです。たとえ彼に思い出がなくても」と答えた。そして去っていく柴田。
「待って!」彼女は叫んだ。「あなたは何も分かっていない」
そう言って柴田にあるフィルムを手渡し、有吉は去っていった。
柴田は早速そのフィルムを現像してみた。浮かび上がってくる2人の人物。彼はその写真を見た瞬間、驚愕した。
有吉の恋人の顔。それは、柴田の顔だった。
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コメントまとめ
中々いい作品。 こういうのが好きなんだよな〜。
作品の雰囲気がよかっただけに、オチが弱かったのが残念。ホントもったいない・・・。
これは長編映画だったら良かったのに
アイデアはおもしろいが、世にもや短編でやる必要のない作品
ストーリー的にはありきたりかもしれないけど、全体の雰囲気は好きです。 ラストは冗長すぎ。 木村さんの「あの人を捜そうと思った」のところで、佐々木さんが「(カメラは)あなたのものです」と言われたのを思い出して気付く→終了ぐらいが良かったな。
最後に何かひとつ欲しい。
「時の女神」「太平洋は燃えているか」と並んで最も好きな作品のひとつです。 sf系としてちゃんとした作品になっていますし、木村さんや佐々木さんも実力派の役者さんですから、相当いい作品に仕上がっていると思います(と言うか、ほかのキャストだとすれば「昨日公園」みたいに役者に作品が殺されちゃいますよ) ラストシーンはある程度読めますけど、それでも十分楽しめ、何度見ても飽きない作品。間違いなく5つ星ですね
この話、すんごい好き。BGMがいい。
この話はよく出来てた。自分の間ではベスト3に入ります。
よかったと思います。 ちょっと涙がにじんじゃいました。 まるで某国を思い出させるもうひとつの日本。 脱○者も彼女の台詞、生きるためならなんでもするって気持ちで逃げてるんだろうなあって思っちゃいました。 日本が今、怪しいってゆーか危ないってゆーかの法律を作り始めてますけど、今住んでいるここがもうひとつの日本にならなければいいですね。
自由のある日本に乾杯!
BGMが、イイね。
最高ですね。 何てったってテンポがいい!
どなたか、BGMについてご存知でしょうか?市販されていませんかね?配島邦明さんの作曲ということしか分かりません。よろしくお願いいたします。
これはかなり好きな作品です。
話しのオチが弱い、強いというのではなく、この雰囲気や世界観が凄く良かったです*
面白かったけど、途中でオチが分かってしまった
柴田は「あなたは人殺しだ!」なんて、言ってませんよ?
「あなたは有吉さんを殺して・・・入れ替わった?」って言ったんです。
オチは途中で読めましたが、木村さんの演技にやられました。
テンポも良かったと思うし、最近の中ではかなりのお気に入りです。
もう一回見たいな〜
この物語いいねー。
こういうのがすきー
かなり面白かった!
雰囲気が良かったです!!
オチ弱いかなぁ
最後の驚愕した顔でなんかゾッとするようなものを感じさせていいと思うけど。
同じ人間が二人いちゃいけないから殺さないといけない。
もし恋人も殺されないで一緒に平和な方の日本に来てたら…って。
パラレルワールドの日本を見ると、この日本は自由でよかったと思いました。 主人公も、死んだ恋人に会えてよかったと思いました。
佳乃はうつくしかったね。
特に最初のアップカットの時なんて最高でした。
まず「越境」というかっこよすぎるタイトルに惹かれた。
ビックリするようなどんでん返しがある物語ではないけれど、私もこの作品の雰囲気が大好き。
ほかにも書き込みされている方がいたが、この作品はストーリーをもう少し膨らませて長編でやっても面白そうだと思う。
その際は、主要登場人物が主人公と恋人とカメラマンだけではさすがにオチがバレバレになってしまうので、登場人物もうまく広げてほしいけど・・・
雰囲気がカッコよかった。
でも最後に何かあることを期待していたので
残念だった。
自分がどれだけ幸せ者なのかを思い知らされた作品・・・あのもう一つの日本の独裁者稲川淳二に似てるが
今日テレビでやってた。
記憶に残る最後の最高傑作です。
2008年の傑作選で選んだのは最高!!
「戦争はなかった」(あらすじのみ見た)、「太平洋は燃えているか」(あらすじのみ見た)に並んで星1000!!
今日の昼に再放送してたんで見てたのですが.. 映像や物語の出来が凄い良かったです。 俺が言ったら生意気かもしれませんが。
仮に二次大戦で日本が勝利していたとしても確実にこうはならんかったと思う。
今の世にもは、SF系がないなぁ・・・
こういうような作品がもっとあったらな・・・
プロローグ 「多くの言葉より、たった一枚の写真が真実を伝えることがあります。
これからお話する物語も、ある一枚の写真から始まります。」
この2005年の秋の特別編までの『世にも』はとてもおもしろかったが、この次の世にもの回、『イマキヨさん』、『リプレイ』らへんから世にも奇妙な物語はおかしくなっていったとおもいます。なんとかしてもらえないでしょうか?
今の作品と比べて見るとこの話はとてもよかった木村さんがとても奇妙な味をだしていてとてもよかったとおもいます。昔は奇妙な雰囲気をだしている芸能人などが出演していたのも面白かった理由の1つだとおもいます。今は売れている芸能人しか出ていないので奇妙な雰囲気がでていません。
涙顔でした…
はじめましてシェイミです。中一です。二十世紀少年見て、佐々木さんのファンになりました。
春休みに午後四時から放送されていた、世にもの傑作選でこの作品を知りました。でも彼氏ー佐々木倉之助ーのシルエットはっちょっとわかりやすすぎです。
シェイミさん、私も20世紀少年好きです。ともだちの正体は佐々木さんでしたね。三部作DvDもってます
生きる為に他人を押しのけてまで生きている人が居る事と
些細な事で簡単に命を捨てる人が居るこの世界の矛盾を描いているんだろうな…
あの時空の穴に入るシーンの背景の工場がSFチックな感じを出しててイイねぇ
もう一人の自分とかパラレルワールドに興味が湧いてきました。
読めてしまう結末に賛否両論の声がありますね。
この話は結末に至るまでの「過程」を楽しむ作品かなと。
独特の世界観がとにかく素晴らしい。
みんなオチ・オチってお笑いフリークじゃないんだからwww
こういうのが好き。
SF系はいいね。
過程が面白いのだけど2時間ドラマや映画で後半(エンディング)はオリジナルも加えてリメイクしないかなぁ。
おもしろい。
読めたけど、おもしよいよ、これ。
以前見た時は何故か恐ろしかったんだけど
今見返すと切なくて良い話だと思える。
エンディング
日本未来科学館でタモリが語っている。
「いかがでしたか。
五つの奇妙な物語。人間に好奇心が存在し続ける限り、
このサイエンストンネルはさらにその長さを伸ばし
続けることでしょう。
そして、そのトンネルのどこかにぽっかりと口を
開けた脇道こそ、科学では測れない奇妙な世界への
入口なのです。
ほら、あなたのすぐそばにも・・・。」
子供の頃見て印象に残っていた話。
ブローカーのおじさんは、、、と思わせられますね。
この物語もよく分からないね…分からないからこそ奇妙な…抑パラレルワールドってもう一つの日本と言う意味じゃないでしょう
これが一番すきかもしれん。あのパラレルな日本の雰囲気も話全体の雰囲気もどことなく不気味で良