放送回 | 2004年 秋の特別編 |
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キャスト | 瀬戸朝香 |
脚本・原作 |
朝だ。
目覚ましが鳴った。
時計は7時を少し過ぎた所だろうか。
直ぐ手の届く所に置いてある筈の目覚ましを探る。
しかしそこには無く、実際には少し離れた隣の部屋の机上で目覚ましは鳴っていた。
面倒臭そうに起き上がり、目覚ましを止め、ベッドから直ぐ近くのいつもの定位置に戻す。
ふと、部屋全体を見回す。
箪笥から下着が出ている。
誰か侵入したのだろうと思い、鍵を確認するが、ちゃんと施錠されている状態だった。
鏡に首をかしげている由紀(瀬戸朝香)の顔が写る。
その日の夜、行きつけのバーのLOOPという店で朝の事を話している由紀。
またその話?と思わず言ったのは、友人の木下友恵(山口香織里)だった。
彼女はその手の話を聞き飽きているようで、仕舞いには精神分析をして由紀をからかう始末である。
その一部始終を横目で見るのは店の主人らしい男。
その隣で、興味なさげに煙草をふかしながら話を聞いているのは由紀の彼氏で、沢村ケンタ(山下徹夫)という男。
友恵に会社から一報が入り、後を2人に任せると、その場を去って行った。
するとケンタが煙草を消し、真剣な表情で言った。
「大事な話があるんだ。」
* * *
朝だ。
目覚ましが鳴った。
時計は7時を少し過ぎていた。
ゆっくりと起き上がり、目覚ましをとめる由紀。
そしてふと、昨日はあれからどうなったのだろうと考える。
テーブルを見ると、昨日飲んだと思われるブランデー等が並んでいた。
ケンタ…?
携帯に電話してみるが留守電で鞄の中を確認してみると、山形クリニックと書かれた袋の中から、白い錠剤が出てきた。
おまけに普段吸わない煙草も。
何故…?
そう思いながら再度テーブルを見てみると、自分と同じ口紅の色が残った煙草の吸い殻があった。
その夜、友恵を呼んで鍵の交換もしてもらっていた。
友恵「夜の訪問者かぁ。でもこの色由紀が使ってるのと同じだよねぇ」
由紀「でもあたし煙草吸わないし…」
友恵「そうだよねぇ」
由紀が記憶が飛ぶ事を友恵に打ち明けていた時の事だった。
鍵の交換が終わったとの事。
不安そうな顔で友恵が言った。
「本当に何も覚えて無いの?」
* * *
朝だ。
目覚ましが鳴った。
時計は7時を少し過ぎていた。
慌ただしく起きて目覚ましを止める由紀。
写真立てが俯せになっているのに気付き、立て掛けると、その表面を覆っている硝子に殴ったような罅が入っていた。
慌てて施錠を確認しようとした由紀だったがなんだか足下が痛い。
そう思ってみてみると、何かのかけらのような物が足に刺さったようだ。
顔をあげると、目の前の鏡が、誰かに殴られたように拳大の罅が入っていた。
鏡に言い知れぬ恐怖に満ちた由紀の顔が写る。
その日は会社を休んで近くの大形量販店にいた。
そして家で、買った商品の取り付けをする由紀。
防犯カメラだった。
それ越しにテレビに写る自分を見ている由紀。
また朝だ・・・。
目覚まし時計がいつものように鳴り響く。
飛び起きて防犯カメラの元へ向かう。
するとビデオテープがグチャグチャに散乱していた。
驚き「誰?!」と叫ぶ由紀。
テレビを見ると、カメラから映し出される自分の姿があった。
「私じゃない!」
また朝だ。目覚まし時計が鳴る。
玄関へいくと、そこには血がベットリ付いた行きつけの喫茶店のロゴが入ったマッチ箱(?)が置いてあった。
驚く由紀。
どうやらLOOPのマスターは何者かに殺害されたそうだ・・・。
しかも20代の女性との噂も。
「私じゃない・・・」
すると由紀は意識が薄れてゆき、道端で倒れてしまう。
また朝だ・・・。
今度は自分の手や服に血がベットリとついていた。
悲鳴を上げる由紀。
洗面所へ走り洗い流していると、床にバタフライナイフが落ちているのに気づく。
そしてテレビニュースを見ると、自分が薬を購入した山形クリニックの院長が殺されているとの報道が流れた・・・。
怖くなり、その後もケンタに電話をするが全く繋がらない。
その夜、友恵はハヤシライスを由紀に作ってあげて、
「食べないと元気でないよ」と言って仕事へ向かおうとする。
だが由紀は「行かないで!」と引き止める。
悲しげな由紀の顔を見て、友恵は「わかった」と一言。
今度は夜に目が覚めた。
恐る恐る風呂場へ行く由紀。
するとなんと、友恵が倒れていた!
驚く由紀は心配して友恵へ近づく。
だが友恵は目を覚まし、由紀に向かって「来ないで!」といい、
その場から逃げ出す。
何のことかわからない由紀はさらに近づこうとするが、
友恵に「来ないで、人殺し!」と言われて押し倒されてしまう。
場面がまた変わり、由紀は寝むりながら涙を零す。
それを指で拭き取る友恵の姿があった・・・。
「可哀想に・・・。こんなんになっちゃって。
記憶が飛ぶとか言うからさ。思いつきでね。」
これまでの一連の出来事は、全て友恵が仕掛けたものであったのだ。
(血のりを塗り、ガラスを割るなど)
その理由は、自分の欲しいものを何でも手に入れてしまったり、彼氏を奪われた嫉妬心からであった。
「これじゃぁもう彼氏とは付き合っていけないね。
心配しないで。
あとは私にまかせて」
そういい残して帰ろうとする友恵。
するといきなり、「ありがとう」という声が・・。
振り向くと、由紀が立ってこっちを見ていた。
「由紀・・」
「由紀?ハハハ、あの子ならもう居ないわ。
あなたが人格壊してくれたから。
これでやっとこの体は私だけのものになるー!」
「どういう意味?」
「あんたって馬鹿よねー。
あのマスターも医者も、私が殺ったのよ。」
この言葉に驚く友恵。
さらにはあの彼氏も殺してしまったのだった。
その理由は、LOOPで飲んでいたあの時の続きで、彼氏とマスターが病院に行くことをすすめており、
自分の存在を消そうとしたことに腹が立ったためだった。
「嘘でしょう?!」
腰を抜かして倒れこむ友恵。
由紀はバタフライナイフを手に取り、友恵の元へ近づいていき・・・・
目覚まし時計が鳴る。
また朝だ。
由紀は仕事の準備を進め、洗面所へ向かい鏡を見る。
その鏡に映った由紀はニヤリと不気味な笑みを浮かべた・・・。
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コメントまとめ
ミステリー好きにはたまらんですよ。
怖い話好きにはたまらない物語。空白の時間が、本当にあったらすごいですよね。
この話ってそんなに評価高いの? 視覚的な恐怖は凄かったけど、話自体は普通じゃない?
リアルタイムで見れなかったので ぜひあらすじの続きを〜!!(><)
ありがちに更にありがちを重ねた感じでいらっとする。 演出も陳腐で面白くない。
オチは友だちがイタズラでやっていたんだけど実は本当に二重人格で今まで人を殺していたのは主人公だったのである。だったようなきがする
最後は由紀の人格が消えて、 もう一人の人格だけが残ったから だから鏡見て笑ってたんやろ? IWGPの劣化版みたいな気もする。。
自分がもう一人に乗っ取られる。 自分を恨む女に二重人格と思い込まされて騙されたと思ったら・・・ というひねりはあるものの、 よくある話と言わざるを得ない。
多重人格とされる人の喋りをテレビで観たことがありますが、あんな感じでした。要するに周りからは「本当か?」と思ってしまうようなもの。そういう意味で瀬戸朝香の演技は間違っていないのでしょうが。。。
多重人格は、どっかで見たような話。
話の展開性、意外性、描写及び演技力。出来の良い作品で98点と高評価!最後の意外性を逆戻りさせて回想させるシーンなどは立派。実際問題、多重人格者の素顔とはいかなるものなのか?
ストーリー展開はありきたりだったけど、結構楽しめた。悪魔の人格の暴走。こういうストーリー結構好きです!! それに、首絞めシーン好きだから嬉しかった。(変態)私の好きな山下徹大さんが出番少なめ。やっと出てきたと思ったら、後ろから紐で首絞められてたしね...まぁ見れたから良かった!
主人公の気持ちばかりが疾走していく話
だから、どんでん返しのどんでん返しとか
をやられてもなんの伏線もないから
ああ・・・ふ ふーん・・・
としか言わざるをえない。
今思えば話のオチとかはよくあるものだったのかもしれないが、全体的にはおもしろかったと思う。
由紀が「これ、お返しするね」と言って友人にナイフを刺そうとするシーンなんかは素直に恐かった。
「空白の人」というタイトルと、主人公の目のアップにタイトルロゴが出る演出も好き。(←かなり細かいところですね・・・)
ところで、この作品の放送終了後に公式サイトの意見欄に一人の女性から批判の声があったのを思い出した。
「自分の恋人は実際に多重人格に近い病気をもっているから、こういう題材の作品はつくらないでほしい」という感じのもの。
物語であるにせよ、こういう多重人格ネタは扱うのが難しいみたいですね・・・。
演技がうまい
瀬戸朝香 通常からの豹変ぶりはよかった
なかなか怖かったです。
瀬戸朝香の豹変ぶりもなかなか見もの。
こういうゾクっとするような話をもっと作って欲しい。
多重人格系の話が結構好きなのでよかったです!!
瀬戸さんの演技も素晴らしい♪
植田監督にはもう一度これくらいどブラックな作品を手掛けていただきたい
主人公は多重人格って事かい?友恵は最後は殺されたと。まあ殺されても仕方ない事をしたからね。自業自得だね