放送回 | 2002年 秋の特別編 |
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キャスト | 藤原紀香 |
脚本・原作 |
子供の世話に明け暮れる中、人生の選択を後悔する主婦・山田明子(藤原紀香)。なんせ六年前、じきに自分の主人となる一平にプロポーズされ、さんざん悩んだ挙句、一平とともに生きることを決意する---まではよかったのだが---。一年後、一平が勤めていた会社が閉鎖してしまい、そして今はこんな状態。安い団地で、四歳の息子、ニ平の世話をやかせる日々。
「こんなはずじゃなかった」と正直悔やんでいた明子。
そんなある日、家のパソコンをいじっていると、画面上に見慣れるアイコンが映し出されていた。クリックしてみると、もう一人の自分が画面上に映し出されたのである。
実は、画面上に映されたもう一人の自分は、六年前のあの時、一平のプロポーズを断り、一流の出版社の編集長を勤める自分だったのだ。次第に話していくうちに、意気投合していくふたり。
あるとき。いつものことのように、やんちゃなニ平を叱る明子。パソコンのある部屋に走り去るニ平。朝ごはんを作り、呼んでも出て来る気配はない。おかしく思った明子は奥の部屋へ入り、信じられない光景を目にする。
そこには、画面上に映し出されたもう一人の自分と、二平が映っていた。
「ニ平、もどってらっしゃい!」明子は形相を変えて叫ぶが、わがままなニ平の耳にはとどかない。
そのとき、いたって冷静なもう一人の自分が、こんなことを持ちかけてきた。「ニ平くん、三日間だけ預からせてくれない?」
結局、ニ平をもう一人の自分に預けてしまった明子。それからというもの、友人と飲み会に出かけたり、好き勝手に自分の時間をすごすのだが、正直なところ、ニ平のいない寂しさがこみ上げていた。
そのころ、もう一人の明子は、仕事にたまるストレスや疲れを、ニ平の顔を見るたびに癒されるのであった。
「ニ平くんを、私にくれない?」という言葉が出てくるのも無理もない話だったのだ。
「冗談じゃないわよ!」画面の中で、明子の顔が怒りの表情に変わっていく。
「じゃあね」もう一人の明子はそう言うと、ウィンドウを閉じた。
それからというもの、もう一人の明子は、ニ平をおもちゃ屋に連れて行き、好きなものを買ってあげたり、遊園地にも行きながら、心地よい休日を過ごしていた。
自分の子供を、もう一人の自分にとられてしまった明子。パソコンの前に丸一日座り続けていたが、扉が開かれる気配がない。
その時だった。「助けて」というもう一人の自分の叫び声とともに開かれた画面。そこには床に倒れているニ平の姿があった。
もう一人の自分が、ケーキを食べさし、その中にナッツが入っていて、ナッツアレルギーのニ平が、パニック症状を起こしていたのだ。画面の中で動揺し始めるもう一人の自分。なにもできないもどかしさで、もう一人の自分に指示を出す明子。
「人工呼吸して!」という明子の指示。やがて、救急車のサイレンが外から聞こえてきた---。
朝になった。デスクから跳ね起きる明子。サッカーボールを持ったニ平が、自分のうしろに立っていた。
「私たちもう会わないほうがよさそうね」
「そうね---」明子はうなづき、お互いに、マウスを動かし、扉のアイコンをゴミ箱のアイコンの中に捨てた。
「遊園地に乗ったらまず何に乗りたい?」
休日。夫の一平も帰ってきて、久しぶりに山田家全員で遊園地にやってきた。自分の人生、がむしゃらに進もうと決意した明子がそこに居たのだった。
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コメントまとめ
なごみ系です. 藤原紀香なのにたんなる主婦で山田明子なんて名前で旦那が一平,息子は二平.いまどき珍しいくらいの平凡すぎる名前なのがなんかいいけど….
向こうの遊園地での鶴見しんごさんが素敵でした。最後にほのぼの出来て良かった。
ハッピーエンドでよかった
やっぱデューダしても同じ幸せなんだなーーー。
タイトルが B´Zの「愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない」並にタイトルが長い
小説で読みました。バットエンドじゃなくて良かったと思います。
if〜もしも で斉藤慶子が主演した作品のリメイクですね。
山下和美の短編集にこれの原作があった。
ショック状態の息子を前にしてパニくる明子に
「出来るわよ!あなたは私なんだから!!」
と渇を入れるシーンが良かったです。
タイトルながい!!
山下和美の原作のほうは、あっちの世界の自分と敵対するサスペンスっぽい内容だった気がします。
下のコメントにもあるけど、結婚しなかったほうの紀香さんを鶴見さんが遊園地で見かけるエピソードが好きです。
「お前のものは俺の物、俺の物も俺の物」思い出した。
ハッピーエンドでよかったです
いい作品でしたー!
とてもいい話だと思いました!
幸せな人生を歩めそうですね。
途中で映ってた遊園地は八景島シーパラダイスでしょうか?
結婚してる方が幸せそうに見えるな
世にもの中の好きな作品のトップスリーに入って居ます
ちなみに
1位 冷やす女
2位 昨日の君は別の君明日の私は別の私
3位 時の女神
です
音楽も作品も全てが好きな作品の一つです
再放送して欲しいです
もう一人の自分が出る物語はバッドエンドが多いのですが、この物語は珍しくハッピーエンドですね。主人公がもう一人の自分に会わなかったら、全然違う人生を歩む事に成ったでしょう