世にも奇妙な物語データベース

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シャドウ・ボクサー

放送回 1992年 春の特別編
キャスト 柳葉敏郎
脚本・原作

ボクシングの試合でKO負けした森安竜夫。そのまま意識不明となり、病院で手術を受けた。
「勝ったら世界タイトルだったのにな…」
「こんな負け方したら多分引退だよ」
「引退?」
「再起は無理だよ」と周囲の声。

手術は終わり、心配する恋人・佐和子の目の前で竜夫は無事に目を覚ました。負けたことを悔しがる彼。
佐和子曰く「退院までにはそんなに時間掛からないって」。
それを聞いた竜夫は「それならそんなにブランク作らなくてすむよな」と再起戦に向けて練習する気満々。
試合に出したくなかった佐和子は、ショックの余り水の入ったコップを落としてしまう。と、そのコップを見事に空中でキャッチした竜夫。
驚く佐和子。竜夫本人も驚いていた。

その後、佐和子の制止を振り切って再起戦に向けてジムで練習を始めた竜夫。
しかし、コーチにも「お前衰えたな。そんなスピードじゃ無理だ」と言われた。
諦めきれない竜夫。その時、目眩がしたかと思うと、ミットを引っ込めるコーチの動きが急にスローに見えた。
咄嗟にパンチを入れる竜夫。
「お前…そう、そのスピード!そのパンチだよ!」
コーチは彼の動きを褒め、そのまま竜夫は練習を続けた。
「速く…速く…速く…速く…」

佐和子とのデート。ショーウィンドーの服を一緒に見ていると、
竜夫は急に目眩がして、周囲の人の流れがスローに見えてきた。佐和子の声まで遅く聞こえてきて、
振り返ると彼女はびっくりした様子。
「どうした?」
「だって急に顔がこっちにあるんだもん」

その後の試合で3連勝した竜夫。コーチも佐和子も笑顔だ。
インタビューで「動き良かったです。何か特別な練習をしているんですか?」と記者に訊かれ、
「最近、相手の動きがよく見えるんすよ。調子いいってことかなぁ?」と答える竜夫。
「次は日本タイトルリターンマッチだな。これでいい勝ち方したら世界を狙わせるつもりですよ」と笑顔で彼の肩を揉むコーチ。
「速く…速く…速く…速く…」更に練習に熱を入れる竜夫。

佐和子とレストランで頼んだ料理を待つ竜夫。いらついている。
「竜夫、どうしたの?」
「遅いんだよ。料理が遅いんだ」
「だって今頼んだばかり…」「そろそろ来てもいい頃だろ」
それだけではなく、どうも最近彼女の行動すらのろのろしている様に見えるらしい。
彼女は鈍いのは嫌いと言っているが…。
「竜夫、何だか前と違うよ? KO負けしてから、あれから何か変わったみたい。
竜夫がボクシングやっている所すごく好きだけど…だけど・・・何か…私…あれ?竜夫?」
彼女が伏せていた目を上げた時、既に彼の姿は消えていた。
「どいつもこいつものろのろしやがって…」いらつきながら帰宅する竜夫。

日本タイトルマッチ。ゴングと同時に攻めてきた対戦相手。
身構える竜夫。またも目眩がし、相手のストレートパンチがスローに見えた。
すぐに避け、相手がよろけた所に反撃する竜夫。相手には竜夫が瞬間移動した様に見えた。
クリーンヒットし相手はダウン。あっという間の出来事に静まりかえる会場。竜夫自身も戸惑いを隠せない。
解説席でストップウォッチを見ると、僅か5秒の決着だった。

「開始から僅か5秒なんて記録ですよ」「みんなあっけにとられて、驚くほど速かったよねぇ?」「最初から狙ってました?」
次々に記者に質問される竜夫。またも目眩が彼を襲う。
「次は世界タイトルへの…ち ょ う せ ん で す」コーチの声がスローに聞こえてきた。記者達の声までも…
「どうなってんだよ!!どうなってんだよ一体っ!!!」耐えられなくなり、その場を逃げ出す竜夫。
外に出ると、そこに佐和子が花束を持ってきた。彼女の声もスローだ。
闇に走り去る竜夫…。

ゆっくり街を歩く竜夫。
横を駆け抜けていく子供達の動きや声、飛んでいく風船の動きまでもがスローに感じる。
橋の上で試しに紙コップのコーヒーをこぼし、その下にそのコップを構えると…受け止める事が出来てしまった。
「俺だけどんどん速くなっているんだ…。何だか仲間外れにされている気分だよ。俺はただ強くなりたかっただけなのに…」
そこに来た佐和子。「ま っ た ?」スローな声で訊く。
彼女の動きより先に動いてしまう竜夫…。
彼女を抱きしめ、できるだけゆっくりと囁く。
「さ わ こ 、 す き だ」
「わ た し も」

「鈍く…鈍く…鈍く…鈍く動かないと駄目だぞ」
周りに合わせられる様に、動きを遅くする練習を重ねる竜夫。
そして世界タイトルマッチ。
試合が始まり、鈍い動きを意識していた竜夫だったが、また目眩が彼を襲った。
対戦相手の動きがスローに見え、パンチを避けた竜夫だったが…次の瞬間。
「…消えました?」戸惑う実況。
「竜夫はどこだ!?」探すコーチ。
ざわつく会場。対戦相手もレフェリーもどうしたらいいか戸惑っている。
と次の瞬間、吹っ飛ばされる対戦相手。竜夫のKO勝ちだ。しかし竜夫の姿は消えたまま…。
「今確かに目の前から消え去りましたっ!森安がリングを降りた姿は誰も目にしていません!森安の姿が観衆の前から忽然と消え去ったのです!」
興奮する実況。それを聞きながら試合の映像を編集していたスタッフが、コマ送りでようやく相手を殴り飛ばす竜夫の姿を確認していた。
「どういう事だよ…」

それから、竜夫の姿を見た人はいない…。
1年経っても、佐和子はどうしても彼の事を忘れられずにいた。
ある日、彼女は夜道で若者達にからまれた。
彼女が「嫌っ!」と叫んだ直後、風が吹き、見えない何かに殴られて次々に倒れていく若者達。
彼らが逃げ出した後で、誰がやったかに気付く佐和子。
「竜夫?竜夫なの? どこ!?どこにいるの!? いるんでしょ!?」
泣きながら周りを見回す佐和子。一瞬、彼女を見守る竜夫の姿が浮かび、風と共に消えていった…。
「行かないでっ!!竜夫…お願いだから…竜夫ーーーっ!!!」
どれだけ見回して泣き叫んでも、佐和子には竜夫の姿は見えない…。

コメントまとめ

人の目から完全に主人公が消えた数年後。 主人公の恋人がチンピラに絡まれてしまう。 しかし、チンピラたちは目に見えない何かに 殴り飛ばされる。 まだ傍に居てくれていると喜ぶヒロイン。

この話は、ハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか・・・

これすごく好きだわ
遅く遅くと気をつけてもどんどんと速くなっていって、しまいには誰にも視認できなくなるが、それでも彼女の傍に人知れず居続けているのがなんともね・・・

ブラックな要素もあり泣かせてくれる
かなりいい話です

あらすじのほうですが彼女に別れを告げる場面はないです
翌年の夜道でチンピラに絡まれるヒロイン
そのときに目に見えない何かがチンピラを殴り飛ばす
ヒロインは泣きじゃくりながら主人公の名前を呼び続けるが、
主人公はどこかに消えてしまう

とてもいい話だと思います。
ラストは感動しました!!!

主人公の加速装置が発動したんですね

最近仮面ライダーディケイドでパクられましたな、この話。

信じられない森安さんなぜ消えたでしょうよく分かりません魂か分からない。

この再放送のみオープニング前のタイトルがありましたね(BGMはなかったけれど)
今度1月2日にやる『追っかけ〜熊の木本線』の回でも、オープニング前のタイトルあるかな?

筆談ならできるんじゃないのか?

ずっとボクサー目線だったのが、彼女目線になるし
何ともかっとまりのない構成でした。
タイトルと、ギバちゃんと小高さんとの恋人同士の役は
良かったと思います。

何とも中途半端

手紙で残せよ

これ筒井康隆の「お助け」の翻案かと思ってた
過酷なトレーニングの果に超スピードを身につける男の話
早すぎてコミュニケーションが取れなくなり
絶望して路上に倒れて寝てて、気がついたらカタツムリの這うようなスピードでトラックに轢かれつつあるって気づく話

ひょんな事から世界一のボクサーに成った男…然しその代償はあまりにも高い物だったと…まあよく有る話じゃな…其れと…儂の名前を勝手に使うとる輩が居る様じゃが…儂の名前は呪われておる…使うなとは言わんが使い過ぎには注意してな。後から後悔しても手遅れじゃぞ。

死の淵から生還して新たな能力を得る。実際に有るかも知れませんよ。この物語の主人公の場合は違うと思いますが。相手の打撃で脳に何等かの異変が生じたと…その結果、主人公は早く動ける様に成ったのでしょう

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