世にも奇妙な物語データベース

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夢を買う男

放送回 1991年 春の特別編
キャスト 柳葉敏郎/石野真子
脚本・原作

薄暗い地下室への階段を下りていく主人公。周りはネズミが走り回り、蜘蛛の巣も張っている。フェンスの壁の間から入ろうとした主人公に、
「いらっしゃい」と男が声をかけた。

「知り合いに聞いて、来たんですけど…」
「では、私どもの値段もご存じですね?」
立ち上がって近付いてきた男にちょっと緊張気味の主人公。肩にかけた鞄を見せると、「どうぞ」と案内された。

「この店は夢を売る店と言うのは本当でしょうか? どんな夢でも叶うのでしょうか?」
「はい。あなたの欲望の赴くままに身を委ねればよいのです」
主人公の質問に答えながらアンプルのふたを開けて準備を進める店主。この薬は、どんな夢でも見ることはできるが、神経を激しく緊張させるもの。なので、代償に寿命が10年縮むのは避けられないとの事。腕に薬を注射され、主人公の意識は遠のいていった・・・

赤ん坊の夜泣きに起こされた主人公は妻に頼もうとするが断られ、代わりに欠伸しながらミルクを作った。
朝、妻に小言を言われながら、可愛い息子タケシに頬寄せて出勤した。
会社で失敗して上司に怒られた。
風呂上がり。タケシのおむつ替えをする主人公。
「たまには残業してきてよ。家庭のために」と妻にぼやかれた。
「あーあ、あの人の言う事を聞いておけばよかった」
「あの人って?」
「結婚前に易者の先生にあなたの運勢を見てもらったんだけど、あなたは一生うだつが上がらないって言われたわ。あなたには夢ってものがないの!?」
「俺にも夢くらいあるさ」
「じゃあ努力してよ」

現実では、主人公はぐっすりと眠っている。

妻が同窓会に行っているので、帰宅後代わりにタケシの面倒をみる主人公。TVには「東岸戦争関連のニュースは情報が入り次第お伝えします」の文字。
しかし、帰ってきた妻はタクシーの中の男と親しげな様子。問い詰めるが、逆に今の家庭に対する不満をぶちまけられる。と、タケシが泣き出した。主人公が額に手を当てると熱い。タケシを抱えて急いで病院を探し周る二人。
やっと見つけた病院の医師曰く「知恵熱」で、2〜3日高熱が続くとの事。妻は主人公に謝った。
「タケシの奴、何考えてんだろうな」
と主人公が言ったその時、
「ママ」とタケシが喋った。
嬉しそうな妻と、「ママ」が先だった事にちょっと不服ながらも妻に言われた通りミルクを作る主人公。
そのバックのTVニュース「連合軍の核兵器使用を許可しました。繰り返します」
タケシの笑顔がぼやけ――

主人公は目を覚ました。いつの間にか山高帽を被った店主が話しかける。
「どうでした? 満足されましたか?」
「ええ…楽しい夢でした」
「みなさん、そうおっしゃいますよ」

弱った体で無理に立ち上がり、料金を払おうとバッグの中身を床にぶちまけた。無数の缶、電池、そして哺乳瓶…
震える手で哺乳瓶を拾おうとして諦める主人公だが、
「結構ですよ。それはお持ちください」
と店主。主人公は拾って持ち帰った。
「どうも、ありがとう」帽子を脱ぎ、会釈で送る店主。

出口付近で、同じく鞄を下げた男とすれ違い、地上に出るとそこは荒涼とした砂漠地帯だった。

砂埃の舞う中、主人公は歩き始めた。片手に哺乳瓶を持ち、首にはネックレス(おそらく妻の?)を付けて。
笑顔のタケシと妻、軍艦から飛んできた核ミサイル…かき消されたタケシ、そしてキノコ雲…
哺乳瓶をしっかりと両手で抱くように握り、遠くに見える廃墟と化したビル群へと向かい歩いていく主人公…。

コメントまとめ

この話が一番好き。再放送しないかなあ・・・。夢から覚める直前シーンから、ずっと泣きっぱなしで、ラストの詩がうまく聞き取れないくらいで、ここでそれが読めてよかった。

この話の原作はロバート・シェクリィと云う人の短編「夢売ります」ですね。 原作では冒頭の荒廃した現実の描写は極力伏せられていて、 ラストで「平凡な日常の繰り返しこそが主人公の夢見た空想だった」というオチ。 文体もかなりドライで荒涼とした読後感でした。 ハヤカワ文庫の『幻想と怪奇?』に収録されています。

子どもの頃だけど今でも心に残ってる話。 私もこの話が一番好き

名作中の名作。
現実と夢、淡く脆いのは夢だけではない。
むしろ現実の方が脆く儚い物なのだ。
あの後、男は何処は向かったのだろう。
夢の先にあるもう一つの現実で・・・

子供の頃に見て未だに忘れられない作品。
悲しい作品なんだけど、何か心に訴えかけらるものがあった。

名作です。
柳葉さんの出る話はやっぱりいいですね。

私も子供の頃みて、涙が止まりませんでした。
切なくて切なくて…今でも最後の詩と柳葉さんが流廃の中を去っていくシーンが忘れられません。
一番好きな作品ですし、再放送されてほしいですね。

主人公の のぞみの夢は、平凡な生活だったんですね。
見れる動画 「パンドラ.TV」

昔のことだから思い込みかも知れないけど、初めに 「バッドトリップすることもありますよ」 って注意を受けてなかったかな。 で、夢は子供はギャンギャンうるさいし、妻とも口喧嘩。とても愉快な夢じゃない。 そうしてバッドトリップのように見せておいて、 「どうだった?」 「とても幸せな夢だったよ…」 と言い残して去るのがこの話の肝だったような。

ルナティックラブもいいが、断然この話が群を抜いて素晴しいと思う。今まで観た作品の中で一番好きだ。
「・・・ええ、いい夢でした」
と満足げに噛み締めてギバちゃん去ってくんだよなぁ。たしか。いいなぁ。思い出しただけでグッと来るなぁ・・・。

たしか中3か高1のとき。余韻は衝撃的だった。
この作品のソフト化を切に願います。

Great !

現実の世界には息子はいなくて乳瓶しかないけど
想いの中に生き続ける人材を夢で得たので
一つの希望を持って生きていける自信をつけた
良い話でもあり切ないストーリーでもあるね。

とても平凡だった日々、今は叶わぬ はかない夢だったですね。

訴えたいテーマは分かるし、ラストも良いんだけど、構成が中途半端な気がする。

伏線にこだわりすぎるあまり、あのテレビのニュースは余計だと思う。

だって主人公にとってあのニュースは一番の悪夢再来のはずなんだから……

これは感動します。泣けるし涙が出る。感動系です。

これ好きだなあ。

「なぜ主人公はこんな平凡な夢を見に来たのだろう」と思わせといて、最後は感動に包まれました。
決して裕福ではないけれど、普通に生活することが楽しい夢だったんですね。
しかし、夢の中の戦争のニュースが手がかりだなんて分かりにくい話でした。普通なら聞き逃してしまいそうです。

この話は普通に夢から覚めるまで見てても
「ただのほのぼの感動か・・・?」と思ってたけど
外に出てからのシーンで「今までのは全てそうゆうことだったのか…」
と思い、あの短時間で号泣してしまった…

ギバちゃん自身も数ある芸能界人生のなかでも
この話に出演した時のことは今でもきっと強く覚えてるんじゃないかな…

いつまでも忘れない作品。この世の中から核をなくせ!世界に率先して日本は非武装するべき。相手より先に自ら軍備を放棄しよう!

本当にいい作品でした。

すごく良かった

プロローグ
「すてきな夢の途中で、不覚にも目が覚めてしまった、という経験はどなたにもあると思います。続きを見ようと再び目を閉じてももうだめです。
わたしも、何度くやしい思いをしたことか。
もし、希望通りの夢が今晩見られるとしたら、あなたならどんな夢をご覧になりますか?
えっ、わたし? わたしなら・・・」

二十世紀末は荒廃した未来が舞台になる作品が多かった。子どもの頃はそれが本当に怖かったけど、2011年の震災で人々が助け合っていたことを思い出すと、日本の未来は明るい気がする。

あれ・・・?
目から水が・・・?

人生はみんな夢だよ

そうか・・現実では戦争で子供も妻も死んで、主人公だけが
街が滅び日常が幸せだったと気がついた。

その小さな夢が、切なすぎた。

最後の誌が涙を誘いました。平和であってほしいです。

10代後半に見て静かな衝撃を受けた作品です。

今はしがない主婦ですが
「何でもない日常が幸せ」であるこの作品が
心に残っているおかげで
ありがたく日々をすごせてると思います。

フジテレビTWOで世にも奇妙な物語の再放送をやっているので、リメイクが無理ならそっちで再放送して欲しい

深夜帯でもいいからこれ再放送してくれないかな…世にも奇妙な物語の枠で終わらせるにはもったいないくらい名作

個人的に主人公があの後どうなったのかがとても気になる

これを今拝見し、感動し、切なくなりました。私にも家族あります、2歳半です。核戦争なんて起きなければきっとこのご家族は壊れなくても済んだ…。自らの命を犠牲にしてまで子供を思いやる父親、幸せになって欲しかったです…。

時の女神より好きだわ
ほんまに泣ける

今10代後半でバイトとか全然うまくいかない俺でもこの主人公みたいに数年後、数十年後にはあの時に戻りたいと思っているのだろうか
現時点ではとてもそうは思えないがもし戦争とかが起こったらそう思うのかな

感動しました・・・(*∀*¥)

今過ごしている何気ない日常が,実はとても幸せなんだと気づかせてくれる作品。
感動した。。。

観たいですp(´⌒`q) あれは泣きました(T_T)

時の女神と言い夢を買う男と言い,ギバさん良い仕事するわ

家族と過ごした平凡ながらも幸せに満ちていた日々の思い出を胸に秘め、再び幸せな日常が戻るときを夢見て絶望の世界と化した廃墟の街へ旅立つ主人公‥‥過去ログでも言われているが、平凡な日々を過ごせることが如何に幸せなことであるかを改めて痛感させてくれる良作だと思う

最終戦争の成れの果て…世紀末の荒野の様な世界です。そんな時代だからこそ特に夢は必要なのです。将来の夢、何時かは達成したいと言う夢は勿論ですが、寝ている時に見る夢も又必要なのです。然し、世紀末の荒野に生きる人達に夢を見る余裕等有るでしょうか。食料も水も少ない。病気に成っても医者は居ないし薬さえ無い。其れでも生きて行かなければ成らない…この侭行けば何時か本当にこの物語の様な世界に成ってしまうかも知れません

コロナコロナで世界情勢がどうなるかわからない今だからこそ、この作品を再放送して欲しい。平穏な日常が送れる事がどれだけ幸せかを考えさせるきっかけとして。

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