世にも奇妙な物語データベース

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ネチラタ事件

放送回 1992.8.13
キャスト 細川俊之/鶴田真由
脚本・原作 星新一「ネチラタ事件」

大学教授の見城雅彦(細川俊之)は、世の中の言葉の乱れっぷりに嘆いていた。
今度お見合いをする娘の聡子(鶴田真由)にも、普段から言葉遣いだけは丁寧にするよう言っていた。
「せっかく綺麗な日本語があるんだからね。皆にも勉強し直してもらいたいものだね」
「お父様が一度、汚い言葉を使うのって聞いてみたいですわ」
笑って話す聡子に、
「おいおい、私を殺す気かい?」と雅彦。
聡子のお見合い相手の男性も幸い、素晴らしい男性という事らしい。

そんなある日の朝、唐突にテレビから妙な言葉が流れ始めた。

「早く起きやがれこの野郎、いつまで寝てんだよ。
あたいが今から8時のニュースを読んでやっからよ、耳の穴をかっぽじってよーく聞きやがれ」

ぶっきらぼうな言葉でニュースを読み始める女子アナに、雅彦は思わず目を丸くする。
チャンネルを変えるが、天気予報のキャスターも「高気圧なんて生意気なもんが張り出しやがってよー」などと言い出している。

首をかしげながらも知人の葬儀に参列するために家を出る雅彦だが、玄関を出たところで「おい、そこのオヤジ」と声をかけられる。
ギョッとして振り向くと、近所の奥さんがにこやかな表情で立っている。
「おめーだよおめー」
「わ、私・・?」と雅彦。
「おめーしかいねーだろ。ったく寝ぼけた顔しやがって。道でけつまずいてすっころぶなよ。とっとと行ってきな!」
奥さんは乱暴な言葉を使いながらも、ニコニコ顔で雅彦に向かって一礼した。

街の様子がおかしい。
通行人は乱暴な言葉で警官に道を尋ねているし、警官も乱暴な言葉で親切に道を教えている。
葬儀に来てみたら、喪主も参列者も全員乱暴な言葉で挨拶をしている。
そして駅のプラットホームでも、車掌のアナウンスが乱暴だ。

どうなってるんだ一体?

大学にやって来た雅彦は、同僚である安藤教授の姿を見つける。
「おお見城くんか。君も気づいたかね。本当に大変な事になったなぁ、アッハッハッ」
どうやら安藤は普段通りの様だ。
話を聞いてみると、安藤が研究していた「ネチラタ菌」という菌の瓶をうっかり割ってしまった。その菌に感染すると丁寧な言葉がぞんざいに聞こえてしまうと言うウィルスだった。雅彦と安藤だけは、研究室でその菌をさんざんいじっていたため、免疫が出来ていたので感染を免れたのだ。

「まあ人命には影響が無いから心配はいらないよ」
のんびりと話す安藤に、早くワクチンを作らないと大変な事になると抗議する雅彦。
「焦ることはないよ。言葉の価値観なんてものはね、あってない様なもんだからな」
「悠長な! 私も手伝います、すぐにワクチンを!」
「見城くん、君、今日見合いじゃなかったっけ」
「あっ、そうでした」
「おいおい、そのネクタイで行く気かね」
そういえば葬儀帰りだった。

雅彦はネクタイを買いに、デパートへと走る。
エレベーターガールの言葉遣いも、雅彦にとっては聞くに耐えない酷いものだった。
ネクタイ売り場に到着しネクタイを選んでいると、女性店員に話しかけられる。
「このトンマめ、グズグズしてんじゃねえよ。何が欲しいんだ言ってみやがれ」
雅彦は怯みながらも、店員に向かって告げる。

「もしお手数でなければ、このネクタイをいただきたいのですが」

なるべく丁寧に返したつもりだったが、店員は唖然としている。
他の客達も雅彦を見てギョッとしている。
慌てて店長が飛んで来る。
「このオカチメンコが何か失礼な事でも抜かしやがったんで!?」
「いや・・私はこのネクタイが欲しいだけなのですが・・」
「このトンチキ野郎、金なんて要らねえから、これ持ってとっとと帰りやがれっ」
店長から何度も頭を下げられながら、デパートから追い出される雅彦。

どうしてこうなるんだ・・?

そこで雅彦はハッとする。
「そうか、逆か!」
丁寧な言葉はぞんざいに、ぞんざいな言葉は丁寧に、逆の意味に聞こえるのだ。
「となると、私もこれからは汚い言葉で話さなくてはならないのか・・」

街を行き交う人々の乱暴な言葉に耐えられなくなった雅彦は、ふらふらと歩いているうちチンピラ風の男にぶつかってしまった。
男は睨みを効かせながら、「とても痛かったんですけど」と凄む。
「どこを見て歩いてらっしゃるんですか」
「い、いや、本当に申し訳無いっ・・」
すぐに謝罪する雅彦だったが、(しまった、丁寧は逆だ!!)
「・・あなた、インネンをつけようとしてらっしゃるんじゃございませんか?」
「何とかおっしゃっていただけませんかね」
「痛い目にお遭いになりたいんでしょうか」
二人組の男に胸ぐらを掴まれるも、雅彦には乱暴な言葉で返すことが出来ない。

雅彦は慌てて逃げ出す。
追いかけてくる男達。
「お待ちになってー!」「なめてらっしゃるんですかー!」

何とかお見合い会場の料亭に辿り着いた雅彦。
料亭の女将が微笑みながら出迎える。
「よく来やがったな、この唐変木が。せっかちどもが待っていやがるぜ」

和室で上品に座っている娘の聡子と、お見合い相手の田中家の親族達一同、
沈黙が続いている。
(どうすればいいんだ・・)
沈黙を破ったのは相手方の祖母だった。
「高気圧なんて生意気なものが張り出してやがったが、おかげで晴れやがってまあ良かったじゃないか、ホホホホ」
「このクソガキゃ、晴れ男なんて呼ばれてけつかりやがんねん」
お見合い相手の男性の父親がにこやかに話しながら息子を紹介する。
「どうでもいいけどよ、琴なんてチマチマしたもんやってやがるんだってなこの野郎。今度一度聞かせてみせやがれ」
お見合い相手が緊張しながら聡子に語りかけてくる。
「たいしたことねえけどよ、今度聞かせてやら。耳の穴かっぽじって聞きやがれ」
娘の乱暴な言葉遣いにショックを受ける雅彦だが、お見合い相手の祖父から話しかけられる。
「なかなか似合いじゃねえか。おめー、どう思う?」
「ええ・・・」
言葉に詰まる雅彦。
「何をチンタラしてやがる。てめえの腐れ意見が聞きてえんだよ」
絶体絶命である。

(さ、聡子のためだ)

雅彦は汗だくになりながら、

「う・・うちの、オカチメンコも・・気に入ったみてえだし・・、田中のバカ息子も、気に入ったみてえだからっ、ふたりで、イチャイチャするのも、いいんじゃねえかっ」

雅彦が初めて使う乱暴な言葉に、空気が静まり返る。
(ま、間違った・・・?)

しかしそれも束の間、
「このボケナスがっ、そりゃいいぜ。アハハハハ!!」
相手の祖父が豪快に笑い始め、続いてその場の全員が笑い出した。
おかげでお見合いの席の緊張感は解けた様だが、雅彦は苦笑いするほかなかった。

コメントまとめ

原作は確か星新一さんですね。

デパートに立ち寄った時エレベーターガールが 「さぁ、降りてぇ階をいいやがれ。 3階はババァ用の服、4階はジジィのステテコなんて置いてあらぁ。5階はガキどものガラクタ売り場だ。・・・」とか言ってたのをやけに覚えています。 小学生だった私は登下校時一人でブツブツ呟いていたのを覚えています。

星新一さんのちぐはぐな部品っつうやつにのってましたね

能無し野郎のてめぇらにこの面白さがわかるとは到底思えねぇ。 全く鶴田真由のクソ演技、虫酸が走るたぁよく言ったモンだ。

いままで、数々の話を見てきましたが、 この話がナンバーワンです。ニュースシーンでかなり笑いました。(再放送でみました)

去年再放送があって
見ましたが今までで最高だった気がします
やはり当時の作品はとてもよかった気がします

ネチラタって名前が絶妙。

ネチラタは逆から読むと「たらちね」。「母」にかかる枕詞だっけ?

たらちねっていう落語があるんですよね。
言葉づかいの丁寧なお嫁さんをもらった男の話で。
星新一さんがそれを元に作ったお話でしょうね。

世にも奇妙な物語の中でも、最高の作品だと思います。私は再放送で見ましたが大笑いしました。もう一度みたいです。映像はないのかなぁ。

私は、世にも奇妙な物語のことを知ったのは、少し前のことであまりお話を知らないので、ここにきて、お話を見たけど、面白そうなのもあって映像も見たいと思うほどです!!(私はこわがりなんで、あんまりこわいのはダメですが・・・・・(汗))

最初星新一さんの原作を読んでいたので、映像化が楽しみだった。私もエレベーターガールがにこやかに「よく来たな暇人ども、上行くぜ」というセリフに爆笑した。

何笑かしとんねん!セリフと動き合っとらんやないかコラ。
(訳:セリフと立ち居振る舞いがちぐはぐで面白かったです。)

最後のお見合いのシーンは、主人公の必死さに涙出ましたね。

まったく、糞ったれどもがボヤボヤしてないでコメントしやがれってんだ!!

すばらしい粗筋全く文句のつけようもございません。
明日も明明後日も幸せな一日であることを願いまして本文をおとじ致します。

素直におもしろい。
主人公が汚い言葉吐いた瞬間に元に戻って大騒ぎ、とかいうオチでもありえそう

駅員さんの台詞ワロタwww

星新一さんの小説読んでたので期待してましたがここまで笑える作品になっているとは。エレベーターガールはドツボですね(笑

デパートの店員の「このトンマめ」が最高!

なつかし〜小学生の頃ウケてた記憶がある!
エレベーターガールがツボにはまってたw

コメディ系の最高傑作でしょう。

子供の頃見たときは面白くなかったけど,今見ると結構おもしろいですね。

昔の汚い言葉ってこういうものなんだと新鮮に感じました。
言葉と表情・動作がちぐはぐなのが面白いです。

チンピラの言葉が丁寧になる場面や、老人と巡査のやりとりが最高でした。

オカチメンコw

最後の音楽が全然一件落着してないところがすごく良いです。

この話は、ちぐはぐな部品に載ってます。

おもしろい!

これこれ!ずっと探してたら、星新一さんの作品だったのですね。道理で星ワールド全開だな、と納得。
それにしてもこのサイト、すごいなあ・・・どの話も見つかる。

面白いです!

エレベーターガールのところワロタ

この話DVDにならないかな・・・・

おもしろい!!
一言でおもしろい!!

おもろい!!

懐かしいですね、小さい時にリアルタイムで放送された時見たんですが、覚えてましたね、こういう話でも言葉の大切さ、そしてすごさが分かりますよね

テレビをつけた途端アナウンサーの「早く起きやがれ!」…最初見たとき、これはやめてほしいと感じた記憶が…。デパートの店員もいわゆる江戸っ子口調…こんなデパートが実在したら、私は行きたくないです。

細川俊之が演じたのは「見城」という名だったのは覚えていますが、見城とともにネチラタ菌が効かなかった「安藤博士」を演じていたのは誰なのか覚えていません。どなたかご教示お願いします。

しょーもない話だったけどよ最後まで見てやったぜ
今まで見てきたクサレ話の中でこんなに笑っちまったなあこのクソ話ぐらいだな
まぁてめえらも使ってそのままの汚え雑巾みたいな面しながら見たら良いや

細川さんに、ご冥福をお祈りいたします。

原作では、レストランだったと思います。
最初にアナウンサーとかCMとかはありましたが。

すっげーおもしろかったぜ!!
いかした話だったぜてめぇらもしっかりと見やがれ!

原作者・星新一は落語の演目「たらちね(垂乳根)」をヒントに同演目のいわば本歌取として「ネチラタ事件」を書いた。
ゆえにネチラタとはたらちねの逆さ読みとなっている。

これじゃただのべらんめぇだよ

細川さん声が渋い!

世に奇妙ランキング入ってなかったですね〜
自分的にはNo. 1なんだけれど

エレベーターガールがあの独特の言い回しで言葉遣いがぞんざいなのが楽しい

面白い!全作品を見て一番笑えた!
エレベーターガール最高www
再放送流してほしいな(≧∇≦)

超丁寧な言葉で追いかけてくるチンピラがシュールすぎた(笑)

エピローグ。ネチラタ菌が入った小瓶を手に取り、蓋を開けてしまうタモリ。

「最近の若者は言葉の使い方を知らない、なんて事をよく言われておりますが、
そんな若者がそのまま成長してしまったら、どうなってしまうんでしょうねえ?
それが常識になるんですかねえ?
まぁ、言葉の価値観という物も、もしかしたらそんな物なのかもしれませんぜ。じゃ。
……いつまでこんな番組見てやがんだい、このすっとこどっこい!」

バシッ!

見えない何かに殴られるタモリなのであった。

いつまでこんな番組見てやがんだよ、このすっとこどっこい。

笑えた。見えない右手に顔を叩かれた。

クソワロタ

エピローグで見えない右手に顔を叩かれたタモリ。。。この回の1話目「右手の復讐」と関係してるのか思った。

エピローグ
ネチラタ菌の入っている瓶を開けて少しかぐタモリ
「最近の若者は言葉の使い方を知らない、なんてことをよく言われておりますが、そんな若者がそのまま成長してしまったらどうなってしまうでしょうねぇ。それが常識になるんですかね。まぁ、言葉の価値観というものももしかしたら、そんなものかもしれませんぜ。じゃ」
そういってあとにするタモリ
そして振り返り、テレビの前の視聴者に
「いつまでこんな番組みてやがんでぃこのスットコドッコイ」
その後何かに殴られるタモリそして右手で顔を覆う。

すごく面白くて笑いながら見た記憶がある
多分、単に口調が乱暴だったり丁寧だったりするだけじゃこんなに面白くなかったと思う
台詞回しがすごく上手いから、丁寧口調も笑えたし、乱暴口調も不快さがなくて面白かった

主人公「それにしても・・・聞くに耐えん!」

リアルタイムで、駅のアナウンスのシーンと丁寧語のチンピラに絡まれるシーンで爆笑したwww最後、主人公の娘とお見合いしてる田中のバカ息子(失礼)役、恐竜戦隊ジュウレンジャーのブライ兄さん役です。

ぞんざいな言葉が全部関西弁なのが素敵ですね。

チェンジペガサス目的で見たら、ニュースのシーンにチェンジマンのBGMも使われていた(マニアック過ぎませんか)。

過去ログでも言われているが言葉と行動の真逆っぷりが奇妙ながらも実に面白い作品だと思う
そんな愉快な展開の影で「言葉遣いに厳格なのは勝手だけど程々にね」というメッセージが隠されている気がしないでもない‥‥あくまで自分の解釈だが何気に深い作品かも

細川俊之さんを大河ドラマ等の重厚なイメージでしか知らなかった友人にこれ観せたら腹筋崩壊してハマってたわw

言葉遣いの本質が変わらないまま、意味だけが入れ換わるというのを演技力で表現しているのが凄い。
性格までガラが悪くなる訳ではないという。

実は、それだけ言葉遣いに気をつけられる人は世の中に沢山いた、という二重オチなんだな。
ほんのちょっとの風刺が効いていていい。

たかが十五分ぽっちで胸にぐっと染みつきやがる話なんてこさえやがってよぅ。
同じぐれえのオツムの出来した役者揃えて、リメイクしてみろってんだ。見てやってもいいぜ。

これ原作星新一さんのやつですよね、原作だとタラチネ菌というのも出てくるんですよ

お見合い相手がブライ兄さんなのがワロタwww

言葉が汚く成ったって事だけで、生活自体は何も変わらない。いや、変わった事にすら気付いていない…言葉使いって大切だね。言葉が凶器に成る事も有るんだから

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