世にも奇妙な物語データベース

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チャネリング

放送回 1991.12.5
キャスト 佐藤B作
脚本・原作

OPの台詞の後、
何度も抜こうと引っ張りながら、消えるストーリーテラー。
その右にある、入口に「大日本霊の科学会」の看板のある立派な建物。

大きな扉がゆっくりと開き、タイトル「チャネリング」。

建物内部の大きな神棚の前で祝詞を唱え、護摩を焚き、
巫女(沖直美さん)に向かって玉串を激しく降る神主姿の主人公・天山(佐藤B作さん)。
巫女は仰向けに倒れ、痙攣。そこに山伏(六平直政さん)が九字を切り、天山も玉串をさらに振る。
おとなしくなる巫女。
「只今、天山大師の御力により、霊媒の身体に母上様の御魂、お招きいたしました」と告げる山伏。
身体を起こし、依頼人らしい男に擦り寄る巫女。
「イワオォ・・・お前、小学校一年の時に、家の裏の柿の木から落ちて、怪我をしたよね・・・」
「母さん・・・本当に、母さんなのか?」
顔を近付ける依頼人から弾かれるように退き、
「見えるっ!お前には恐ろしい悪霊が憑いているっ!」と叫ぶ巫女。
「今国会でお前がとても悪い立場に立たされているのは、その悪霊のせい・・・恐ろしい・・・
早くお祓いをしないと・・・ひいいっ、とても恐ろしい事が・・・とても大変なことに」
のたうちまわる巫女。それを渇で鎮める山伏。
一通り祈祷は終わり、依頼人――国会議員の畑中に、
「天山大師が特別に直接悪霊祓いの祈祷をした」報酬として悪霊払いの札と、
「ご先祖様のご供養」として壺(ストーリーテラーの手に嵌っていたもの)を
500万の寄付と引き換えに渡す山伏。

天山にマッサージされながら、高笑いする山伏姿の社長。
先程の祈祷は、あらかじめ社長が週刊誌等で情報を仕入れたうえでの、見せかけだけのインチキだった。
議員の柿の木の下りは、3年前に「徹子の部屋」で喋っていたらしい。
取り分だと言って5万を天山達に渡す社長。それをうやうやしく受け取る天山。
「リョウちゃん、手なんか合わす事ないよ」と、こき使われている巫女は不満げだ。
神主姿の天山は、元々は寺の金を持ち出して逃げ出した気弱な坊主。
巫女姿の天山の妻・ヨウコも、その際一緒に逃げてきたキャバレーの女だった。
ヨウコは「リョウちゃんの面倒位あたしが見るわよ」と言うが、天山は「それはダメだ」と止める。
ひとしきり揉めた後、社長は今夜番組の取材で来る次の依頼人・俳優の吉田栄一の資料を
2人に押し付けた。面白くなさそうに「あたしー、警察行って全部しゃべっちゃおうかな」と言うヨウコに、
「やれるもんならやってみろよ。但し、おめぇらの命は無ぇぞ。俺はな、前にも人殺してんだ。
てめぇら殺す位わけねぇんだよ」と薄ら笑いを浮かべながら、残りの金を金庫にしまう社長。

社長不在時。
「ねぇ、あいつからかってやんない?
あいつがね、あんまり『人を殺してる』って言うから、図書館行って昔の新聞調べてみたんだ」
ヨウコが持ってきた古い新聞(昭和51年11月2日)のコピーには、
「横浜の撲殺放火事件 放火現場に金属バット 内縁の夫を指名手配」とあった。
内縁の夫の写真は、社長に似ている。
被害者は福島幸枝と言う25歳の女性で、犯人=社長は金を搾り取るだけ搾り取って、
挙句の果てにバットで殴り殺し、火をつけたらしい。
天山も「ひどいやつだな・・・」と被害者に同情。
「この人、あいつの事すっごい恨んでいると思うんだ。
だから今夜、この人の霊があたしに降りてきたって事にしない?」とヨウコ。

その夜、降霊の儀式はいつも通り進んでいた。
山伏姿の社長が九字を切り、天山が玉串を振り、吉田栄一の母親がヨウコの身体に降りる予定だったが、
起き上がったヨウコは「違う。私は福島幸枝だ」と言い出した。動揺する社長。
訳が分からない依頼人達、戸惑う天山を目前に、キッと社長を見据えて
「私はこいつにバットで殴り殺されて火で焼かれたんだ」と言い放つヨウコ。
社長は「いやいやいや、これは何かの間違いでして・・・」と誤魔化そうとするが、
「ううう・・・頭が痛、痛い・・・こいつが憎い。憎い。憎い」と掴みかかるヨウコ。
インチキだと退席する依頼人一同。しどろもどろに止めようとする社長。

うまくいったと天山に抱きついて喜ぶヨウコ。戸惑う天山。そこに怒った社長が殴り込んできた。
ヨウコを足蹴にし、止めようとする天山を突き飛ばし、何度も殴りつける。
天山を守ろうと棒で応戦するヨウコも逆に抑えつけられ、思わず天山は壺で社長の頭を殴ってしまった。
仰向けに倒れ、息をしなくなった社長。
「どうしよう・・・」と立ち尽くす天山に対し、ヨウコは社長の服を探った。
「だめだ、触っちゃ。警察が来るまで触っちゃだめだよ」
「何言ってんのよ。警察が来たら、捕まっちゃうのよ」
ヨウコは鍵を見つけると、金庫に走って札束を出し始めた。
天山は自分の服を社長に掛け、手を合わせる。
「・・・何やってんだ!」「お金持って逃げんだよ。5千万はあるよ!リョウちゃん、手伝って、早く!」
鞄に札束を詰め始める2人。しかし、その目の前で死んでいなかった社長がむくりと起き上がった。
たまらず、鞄を放り出して逃げ出す2人。「殺してやる・・・」と追う社長。

神棚の前まで追い詰められ、玉串で応戦するヨウコ。だが、社長の手には抜かれたドスが。
たまらず、護摩を炊きながら祝詞を唱え始める天山。怯えるヨウコ。ドスを振り上げる社長。
その時、護摩の火が高く伸び、向こうに女性の姿が浮かんだ。
女性はすうっと火を超え、天山の中に入っていく。
振り向き、口から血を流しながら「殺してやる・・・」とエコーがかった女性の声で呟く天山。
「あたしよ、あんたに殺された幸枝よ・・・」と社長に迫る天山を、ドスで刺す社長。
しかし、抜いたドスには血が付いていない。
「無駄よ。私を殺さない限りこの人は死なないのよ」
その様子に、ようやく事態が呑み込めたヨウコ。「福島幸恵の霊だ・・・」
「死ね!」と指先から炎を出し、社長を燃やす天山(に取り憑いた福島幸恵)。
堪らず池に入って火を消したが、「地獄に堕ちろ!」の掛け声とともに現れた
無数の手によって、引きずり込まれていく社長。
「地獄からの御迎えだよ」パパンと拍手して笑う天山(に取り憑いた福島幸恵)。
唖然とその様子を見ているヨウコ。
やがて、社長は完全に沈んだ。同時に頭から霊らしきものが抜け、倒れる天山。
ヨウコに頬を叩かれて目を覚ましたが、取り憑かれている時の事は覚えていない様子。
「あ、あいつは?あいつは?」
「地獄に落ちた。あいつ、いなくなったんだよ。もしかしたらあたし達、大金持ちになれるかもしれない!」

後日、今度は天山が霊媒になり、ヨウコが玉串を振り、小声で確認し合う。
「・・・どう?来た?」「ダメだ。きっとあれは一度だけだったんだな」
「じゃ、いつもの手使うか」と、いつも通りのインチキを始める2人。
しかし――それは間違って呼び出されたのか。
その背後の神棚に、笑いながら九字を切る社長の霊が浮かんでいる事に、2人はまだ気付いていない。

コメントまとめ

このお話って六平さんの迫力が凄かったと思います。

最後は六平さんの笑い声で終わったんですよね。 「目撃者」でも担架に運ばれながらニターっと笑う所で終わりましたね。

六平さんが最後に出てきたところが印象的でした。

B作の妻をやっていた人が沖直美さんじゃないでしょうか?

ちなみにもう何でもいいから助けてくれと祈祷をしたのはB作です。

臨兵闘者って何?
知っている人,教えてください

「臨兵闘者」の意味を調べてみましたが、「臨兵闘者皆陣列在前」というなんか呪術というかそんな感じのものの、、、掛け声、呪文みたいなものだと思います。
間違えていたらすみません。


『アグニの神』に似た話ですね。

ラストにB作と妻が、訪問女性の夫を呼ぼうとするも出来ず「あれは1回限りだったんだ」と諦めます。

ところがそこに現れ出したのは、訪問女性の夫ではなく六平の霊だった、その怖さを作品は言いたかったんだと思います。

B作さんの妻がいい

小悪党の佐藤B作夫婦と黒幕の六平直政、三人は霊感商法で
客から多額の金品を巻き上げていた。

偽りの降霊で告知される託宣は客が各メディアで既に発表した物を
いかにもそれらしく合成した物にすぎなかった。

ひょんな事から六平の過去の凶悪犯罪を知ったB作夫婦はこんな
極道商売から足を洗いたいと考え、六平に殺された妻を降霊させる
演技で六平の旧悪を露見させようとするがしくじる。

激怒した六平はB作を殺そうとするがB作妻の祈りが通じたのか
殺された六平の妻の霊がB作に乗り移り六平を返り討ちにする。

邪魔な六平を排除したB作夫婦は、結局ボロい霊感商法を続ける。

だが排除された筈の六平の霊が今度はB作夫婦に憑依し、彼らの
悪事を背後から指導?する事となった。

臨兵闘者皆陣列在前
これは「九字」と呼ばれる密教・修験道で用いる言葉です。
各漢字を唱える毎にそれと対応した印契を結びます。
簡略化したバージョンもありますが調べて見て下さい。

六平さんこの頃は怖い役が多かった

臨兵闘者皆陣列在前というとどうしてもスケバン刑事の萩原流行さんを思い出す。

六平がB作らに襲いかかる場面がブラックだけど少し笑えるのは私だけ?

佐藤B作 最近見ないけど、元気かなあ?

六平の生命力に吹く

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