世にも奇妙な物語データベース

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聞こえる

放送回 1991.10.24
キャスト 石黒賢
脚本・原作

レコーディングスタジオ。
ミュージシャンがセッションレコーディングのために
一つの金魚鉢(スタジオの録音室)に集まって演奏している。
彼らにダメ出しするディレクター(主人公)。
その耳の鋭敏さを冗談半分に賞賛される。答える主人公。
「この録音で奴らがブレイクするかどうかが決まるんだから
 気合も入りますよ。雑音なんか入れたらたまったもんじゃない」

仕事の疲れからスタジオで寝込んでしまう主人公。
誰かが扉をあける音で目覚めるが扉は閉まったまま。
その音は遠く離れた部屋での音だった。

スタジオを出て彼女に電話をかける主人公。
話し声の後ろから蒸気音と吹き零れ音が聞こえてくるのに気付く。
「なぁ、やかんをコンロにかけっぱなしにしていないか?」
『えっ?』
足音が遠ざかる。コンロのスイッチを切る音。足音が近付いて
『すごい、どうしてわかったの?』
「……あ、いや、おまえのことだからそういううっかりがありそうで」
話をごまかす主人公。会いたがる彼女に忙しいからと断りを入れる。

その時から、普通の音は大音響に聞こえ、
日常生活において普通は聞こえない音まで耳につき始める主人公。
マンションの自室から十数メートル離れた公園で行われている
井戸端会議や子供の歓声
離れた部屋の赤ん坊の泣き声、食事の音……
不眠に陥る主人公。

仕事場でもそれは変わらなかった。
轟音に聞こえるレコーディング演奏に耐えながら
モニタリングする主人公の耳に
「チャリチャリ」という金属音が入る。
血走った目で辺りを見回し、
音源に気付くと彼は扉を開けて金魚鉢の中に飛び込んだ。
ミュージシャンの一人の胸倉を掴む。
「おい、雑音が入るだろう、
 そのちゃらちゃらしたアクセサリーを外せ!」
主人公の剣幕に驚きつつ取り押さえる他のスタッフ。

根の詰めすぎということで休暇を命ぜられ、
一緒に過ごそうと彼女に電話を入れる主人公。
「もしもし?」
『あ……どうしたの?』
主人公がデートに誘うと言葉を濁す彼女。
更に話し掛けようとする彼の耳に
彼女の背後のノイズが入る。
ライターの点火音……
煙草に火が点いた時の葉と紙が焦げる音……
煙を吐き出す音……ベッドのきしみ……。
「おい、誰だ寝室にいるのは!」
『え?誰もいない……』
「煙草を吸っているのは誰なんだよ……他に男ができたのか!?」
切れる電話。
立ちすくむ主人公に街のノイズが襲い掛かる。
堪らずに駆け出す主人公。

無人の金魚鉢に駆け込み、中から扉を閉める主人公。
ここなら何も聞こえない筈と安心するのも束の間、
尚も律動的なノイズが彼の耳に入る。
耳を押さえのた打ち回る主人公。

「聞こえる……やめろ、やめてくれ!」
ノイズのテンポが上がる……上がり続ける……
音源を突き止め、ナイフを突き立てる主人公。
唐突に静寂。
ノイズは彼自身の鼓動だった。
胸から血を流して横たわる主人公。
薄れていく意識。

コメントまとめ

最初の方で石黒賢がスタジオで 「俺には何でも聞こえるんだよ!」って言ってから、 本当に何でも聞こえてしまうようになるんでした。 何故かよく覚えている話です。

まぁまぁ面白い結構こういうの好き

完全にBe Silentと同じ

まあこの作品はBe Silentの原型となったものです。
リメイクみたいなものでは?

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