第110話 19XX

アパートの一室。
頭にカーラーを巻いたパジャマ姿のOL(主人公)が
やさぐれ気味にTVを観ている。画面はドラマの一シーン。
主役男優(以下A)を見て主人公がぼやく。

「あ〜あ、もう10年になるのかぁ、
 まさかあのイモ男が今をときめく
 トレンディドラマ引っ張りだこの
 人気俳優になるなんて……
 あいつ、あたしに気があったのよね……
 あの時捕まえておけばよかった……」

主人公がその時選んだのは当時は最先端のおしゃれな男(以下B)。
その時は流行最盛期だったが今では誰も見向きもしない、
閑古鳥が鳴くプールバーのオーナーである。

ドラマが終わり、「19XX」が始まった。
1960年代以降のある年のヒット曲を、
当時の風俗・流行とともに振り返る番組。
スイッチを切ろうとリモコンを手にした瞬間、
主人公はTVからの光に包まれる。

我に返った主人公は、自分が10年前の状態で
当時の合コン会場であるディスコのトイレにいるのに気付く。
彼女はこの後の展開を覚えていた。
ここで劇団練習生のAと親の遺産で遊んでいるBに出会ったのだ。

「キープ」としてBにモーションをかけつつ、
誰もマークしていないAにアタックする主人公。
だが、その後もAはまったくぱっとせず、
主人公は、10年後にブレイクする店のプランを提案してBに近付く。
主人公のアイディアに感服するB。二人の仲は親密になっていった。

主人公がこの時間軸に来て間もなく一年が来ようとしていた。
Bの店が開店する日、
主人公は「Aが演劇修行にアメリカに渡る」という噂を聞いて思い出す……
その修行によってAの人気がブレイクしたことを。
開店パーティを抜け出し、港に駆けつける主人公。
フェリーに乗り込もうとしていたAに追いつき、
とっておきの決め台詞を投げかけた。
「ね、セックスしよっ」
あっけに取られるA。
「なんて破廉恥なことを!」
憤然と主人公に背を向けて船に乗り込んでしまった。
「まだ今の時代では過激すぎたかなぁ……まぁいいや、Bもいるし」
きびすを返した主人公が見たのは、怒り心頭の面持ちで佇むBだった。

……そして10年後。アパートの一室。
頭にカーラーを巻いたパジャマ姿で、
最初よりすさんだ感じの主人公がTVを観ている。
「……結局Aはトレンディ俳優、Bは先見の明を持ったオーナー様、
 あたしはあぶはちとらずのただのOL……」
TVを消した後、新聞のTV欄を見て「19XX」、
それも10年前を特集したのが放映中なのに気付く。
時計を見るとあの光が来た瞬間はもうすぐだった。
「今度こそ!」
慌ててリモコンを掴んで適当なボタンを押すのと
光に包まれるのが同時だった。

次の瞬間、主人公はパジャマ姿で暗闇に佇んでいた。
回りを見回すと、そこかしこで爆発が起こり、
建物が倒壊していく……そこは湾岸戦争で空爆を受けている地域だった。
「なんでぇ、なんでこうなるのぉ」
呆然とする主人公の声は爆音にかき消されていく……。

[記録者註]
「19XX」とはこのストーリーが放映された当時に
実際にフジTVの深夜枠で放送されていた番組で、
内容もストーリーの中に書いた通り。
「セックスしよっ」は「東京ラブストーリー」の中に出てきた台詞で、
放映当時の流行語でした。

キャスト: 梶原真理子/石原良純
放送日: 1991.8.8
 

コメント投稿

名前:

コメント:

コメント一覧 (14件)

(たしか)昔に戻った時、おどるポンポコリンを歌った主人公・・・OPになって歌ってる人も違うけど今も主題歌は同じ・・だよね??
投稿者:名無し 2017-03-29 22:03:27
面白かった

>15年前の流行がわかります
とコメントされてからほぼ10年か・・
投稿者:名無し 2016-11-19 20:53:03
フジテレビのスカパーで、放映してましたね。
投稿者:名無し 2015-05-18 09:13:17
すみません、これを鑑賞するにはどうしたらいいでしょう?
投稿者:名無し 2015-05-13 06:21:02
クイズ天国クイズ地獄の前に良純さんが出てたんですね。
投稿者:名無し 2015-05-12 08:24:49
オチぶっ飛んでんな
投稿者:名無し 2015-05-10 18:26:00
検索する女に似てますね
投稿者:名無し 2013-10-11 23:47:21
主役の女優さん、今全然見ないけど、何してるんでしょうかね?
投稿者:ももんが 2010-02-19 17:04:24
最近こんな映画がありましたっけ

時の流れって残酷ですね

この女優さんもういない
投稿者:ネロ 2009-02-26 20:15:43
SF系かと思った
投稿者:息づまれ食欲 2008-11-06 19:45:27
つばめさんの書き込みがかなり合ってますね



「ね、セックスしよっ」

この場面を見て両親に、「ねー!セックスって何〜?」

と聞いてしまった幼き日の自分…

気まずそうな両親の表情を見て子供心にまずいことなんだと悟った…

セックスという言葉を覚えるきっかけになったとても印象深い回です…


投稿者:江口 2008-04-03 07:44:33
おもしろかった!

この回の年に生まれた私にとっては結構新鮮でした。

主人公が1984年にタイムスリップ!!?したとき、BGMにカルチャークラブ、シンディ・ローパーなどその時代にはやった曲が流れてましたね^^

主人公の髪型も、当時の聖子さんのようでしたね。
投稿者:ユリ 2007-11-18 18:43:46
いくつかあらすじに違うところが。

後半、書き直すとしたら・・・



我に返った主人公は、自分が7年前の状態で

ディスコでその後プールバーを開く青年実業家の田代とデートしていた。

トイレ駆け込み、自分の身なりと他の女性客の会話から7年前に戻ったことを確信したさゆり(主人公)は、

劇団練習生の中田に会いに行く。



田代を「キープ」しつつも、中田と親密になってゆくさゆり。



しかし、中田は俳優への道をあきらめて、就職の内定をもらい、

のちにバブルで5億円にはなるであろう中田の実家の土地も売却。

そのことを知ったさゆりは「結婚を前提に」と言ってくる中田をフッってしまう。



そしてさゆりは、10年後にブレイクする店のプランを提案して今度は田代に近付く。



ある日、さゆりのまえに中田が現れて、

就職も実家の売却もなくなって、また俳優を目指すためにニューヨークへ行くから

と、別れを告げに来た。

去ってゆく中田に向かってとっておきの決め台詞を投げかけた。

「ね、セックスしよっ」

あっけに取られる中田。「冗談よせよ」と去ってしまう。



自宅で後悔の念を中田への手紙に書いていたさゆりのところに田代がやってきて、

その手紙を見られてしまう。



……そして7年後。アパートの一室。

頭にカーラーを巻いたパジャマ姿で、

最初よりすさんだ感じの主人公がTVを観ている。

「19XX」が始まりまた過去に戻れると意気込んでいたところに、

トレンディ俳優として成功している中田から7年ぶりに電話があり、

「今から会えないか」と。



今過去に戻ってしまっては元も子もない!と電話を片手に

慌ててリモコンを掴んで適当なボタンを押すと、チャンネルは湾岸戦争の番組に変わってしまった。



「もしもし?さゆりさん?」と中田の声が電話からむなしく聞こえる。

そして誰もいない部屋。



さゆりはパジャマ姿でリモコンを手に暗闇に佇んでいた。

回りを見回すと、そこかしこで爆発が起こり、

湾岸戦争で空爆を受けている地域だった。

「うっそぉ・・・!」

呆然とする主人公の声は爆音にかき消されていく……。





私が見たのはこんな感じで開店パーティとかフェリーとか出てこなかった気がします。
投稿者:つばめ 2007-10-01 18:47:49
15年前の流行がわかります。梶原真理子も時代のタレントでした。
投稿者:purple 2007-02-26 21:52:44
あらすじ検索

キーワードを入力し、「検索する」をクリックしてください。複数のキーワードがある場合は、半角スペースで区切ってください。

クレジットカード比較の専門家
脱毛人気口コミランキング
青汁通販
車買取
車査定相場表
レーシック口コミ
FXとは
白髪染めランキング
フレッツ
楽天カード